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TOP > メディア向け情報 > 引越し業者の数は増えている?減っている?【引越し業者数の推移】
りんごりくんの引越し総研
Research Institute of Moving

■引越し業者って運送会社??
引越しを事業として行うためには、「運送業」として運輸局からの許認可が必要になります。よって引越し会社の事業は「一般自動車貨物運送事業」となります。これは運送会社と一緒です。引越し会社は事業上「運送会社」となります。

元々は「運送会社」が引越し事業も行うことが主でしたが、昨今では、引越しを行う事業者には主に3種類あります。
1.引越しもやっている運送会社(以下、兼業)
日通、クロネコヤマトなど
2.引越しを専業としている引越し会社(以下、専業)
サカイ引越センター、アートコーポレーションなど
3.引越しもやっている貨物軽自動車運送会社
赤帽など
※ちなみに不用品回収会社や便利屋さんなど、運送業の許認可を受けていない企業は、お金を受け取って引越しを受注することは法律違反です

以前は「引越し業者」=「運送会社」という認識でしたが、現在は引越しがサービスとして確立されているので、本格的に兼業している運送会社は減っており、引越しは引越し専業社に依頼するのが一般的になりました。
よって、引越し会社は職種としては運送会社になりますが、実際にやっていることは、「トラックで荷物を運ぶ」以外は、運送会社と事業内容が大きく異なります。

 

■引越し業者ってどれくらいあるの?
トラック運送事業者数

上記はトラック運送事業者(運送会社)数です。運送会社の大半が「引越しサービスやります」とありますが、専業としている事業者数は3,000社程度と言われています。

、、、というのが一般論なんですが、実はこの専業社はもっと少ないです。
日通やクロネコヤマト、佐川急便、福山通運など大手運送会社は、会社全体でみると兼業ですが、専門部署があるので、専業社と言えるでしょう。
しかし、多くの運送会社が、屋号だけは「●●引越センター」と掲げていても、実際は運送での荷主から依頼のある引越しや昔から取引している関係での引越し受注しかしておらず、引越し専業社とは言えない運送会社が数多くあります。
弊社調べでは、専業社(専門部署がある兼業含む)数は、全国で150〜200社程度です。

 

■引越し業者は増えている?減っている?
引越し業者には専業と兼業があると書きましたが、いずれも減っているのが事実です。
兼業社は、先に挙げた理由に加え、EC市場の拡大に伴う運送・輸送・配送需要の高まり、労務管理が大変な引越し業を縮小し、そもそもの本業である運送業に回帰しています。
専業社は、市場の縮小による廃業と見られる向きが強いですが、実際にはそうではありません。
では、その理由とはなんでしょうか。
インターネットの引越し比較サイトができたことで、引越し各社は顧客獲得が容易になりました。また、主に価格で比較するため、「看板(ブランド)」がなかったとしても勝負することができます。そのため、新規参入企業が増えました。しかし、価格勝負による薄利で経営状況は圧迫されます。また低価格を維持するために人件費を削ったり、より労働集約的にならざるを得ず、顧客からの評判を落としていきます。評判が落ちれば顧客獲得も難しくなります。こうして早いサイクルで廃業に追い込まれるのです。また昨今では、人材確保が難しく新規参入もほとんど見られず、落ち着いてきています。