■建物タイプによって引越し代金が変わるのはなぜ?
建物タイプや階数と料金の関係
引越し見積りの際「建物タイプ」について聞かれると思います。現住居、引っ越し先それぞれについて、戸建なのか集合住宅なのか、アパートなのかタワーマンションなのか、あるいはエレベーターはあるのか、何階なのかなどなど。
当然、聞かれるということは、それが引越し料金に影響を与えるということです。
このページでは、建物タイプや階数と料金の関係についてご説明します。
【このページのポイント!】
・建物タイプや階数によって料金は変わります
・なぜ変わるかといえば「作業時間」が変わるからです。引越し料金のベースは作業時間で決まっています
・作業時間に大きく影響を与えるのは主に以下の2つです
エレベーターの有無
搬入経路の長さ/養生
目的は「作業時間を予測する」ため
よく勘違いしがちなのは、建物タイプそのものが料金に影響を与えているのではないかということ。
アパートよりもマンションの方が一律で高いのではないかとか、マンションよりも一戸建ての方が一律で高いのではないかと考えがちですが、決してそうではありません。
なぜ引越し会社は見積もりの際に建物情報を確認するのか、その目的は「作業時間を予測する」ためです。
「作業時間」は引越し料金を構成するベースとなっており、引越し料金を見積もるには作業時間予測が不可欠なのです。
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ですので、建物タイプそのものが料金に影響を与えているわけではなく、建物タイプによって変わる作業時間が、料金に反映されているということになります。
では、具体的に何が作業時間に影響を与えるものでしょうか。単身世帯は集合住宅(マンションやアパート)に住むことが大半ですので、ここでは集合住宅について考えていきたいと思います。
集合住宅で作業時間に影響を与える要素、代表的なものは以下の2つです。
1.エレベーターの有無と階数
2.荷物の搬入経路の長さと養生範囲
■エレベーターの有無と階数が料金に与える影響
階数が増えた場合、どの程度料金が変わるの?
作業時間の計算ロジックは単純で「作業時間=部屋からトラックまで1往復の運搬時間×部屋とトラックの往復回数」です。
そして「増加作業時間=1往復あたりの増加時間×部屋とトラックの往復回数」です。
仮に、作業スタッフが部屋とトラックを50往復するとし、部屋が1階なら合計50分の引越し作業だとしましょう。
エレベーターなしの3階までの昇降は1階と比較して1往復あたり30秒増加するとすれば、25分(30秒×50往復)の増加です。通常引越し1件あたりの作業時間目安は1時間、25分の増加は作業時間を1.5倍にするほどのインパクトがあります。
階数が高いというだけで料金を加算する引越し会社は注意!
もちろん引越し会社によって異なりますが、平均的にはこの程度の加算となります。
中には、エレベーターがついていても、ただ階数が高いというだけで料金を加算する引越し会社がありますので注意が必要です。
なお、大型・高級マンションには荷物用エレベーターが設置されている場合があります。荷物用エレベーターは、居住者が利用しないため作業が捗るのではないかという考えもありますが、実際はそれほどのアドバンテージにはりなりません。
■タワーマンションや高級マンションにありがちな長い搬入経路
タワーマンションや高級マンションを思い浮かべてください
都内でいえば、豊洲・有明・芝浦エリアのタワーマンションや高級マンションを思い浮かべてください。
広い敷地に、豪華な入り口、そして各フロアには多くの住戸を渡す長い廊下があります。
距離がどれくらい料金に影響を与えるか?
これらは、引越し作業時間の増加要因となります。
まず、搬入出経路が長くなります。繰り返しになりますが、重要なのはトラックから部屋までの距離です。
こういったタイプのマンションの多くは、荷物搬入出専用の出入口が存在し、トラックから専用出入り口までの距離は、得てして長いものです。さらに、建物内に入ってからも、部屋に辿り着くために時間がかかります。
距離がどれくらい料金に影響を与えるかの目安は以下のとおりです。
●搬出入距離と料金
・30mくらいの場合は、おおよそ追加料金なく対応できます
・50mくらいの場合は、おおよそ通常作業の2〜3割増の金額になります
・100mくらいの場合は、おおよそ通常作業の2倍に近いくらいの金額になります
養生の時間に注意
さて、もう一つ注意しなければならないのが、養生の時間です。
よく、エレベーター内や荷物の通り道に、青い緩衝材が貼られているのを見かけたことがあるかと思います。これは引越し会社が行う養生作業です。搬入出経路が長ければ長いほど養生範囲が増え、作業時間が長くなります。また、マンションによっては管理者から養生の範囲ややり方について細かく指定される場合もあり、作業時間を増やす要因となります。
■引越し時間が指定される、新築マンションの一斉入居
「一斉入居」について
「一斉入居」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、大型の新築分譲マンションの入居の際にとられる形態です。
入居者は、現住居の家賃などの関係で、できるだけ早く、入居可能日に引っ越したいと思う方が多いのものですが、入居者それぞれがバラバラに引越しをすると、引越し日が集中して建物内外が混乱してしまいます。そこで、そのマンション全体の引越しを取り仕切る「幹事引越し会社」を決め、入居者全体の引越しを管理します
これが一斉入居です。
幹事会社は引越し全体の段取りをするため、高い管理能力が求められます。計画の策定、主要箇所の養生、入居者個々の引越し時間の管理などです。
幹事会社の定めたルールに沿って引越しを進めることになりますので、引越し作業に様々な制限がかかります。中でも料金に最も影響を与えるのが時間割です。入居者ごとに引越し時間を厳密に決められてしまうのです。引越し会社からすれば「時間指定便」と同じ扱いになりますので、引越し料金は時間指定のない「フリー便」よりも高くなります。
■まとめ
引越し料金の基本となる考え方は時間換算です
いかがでしたか?
建物タイプはいろいろありますが、料金に与える要因は「作業時間への影響」です。マンションでエレベーターがあれば上階でも作業時間にはそれほど影響はないことが多いですし、エレベーターがあってもタワーマンションのように搬入出経路が長ければ料金が加算されます。
すべては時間換算であるということを覚えておいてください。