宅配業界の人手不足に始まり、取りざたされてきた物流・引越業界における人手不足問題はさらに深刻さを増し、経済紙一面でも取り上げられるほどです。引越しシーズン到来が直前に迫る中、引越し各社はすでに値上げや受注制限に踏み切っています。同時に、人材確保も熾烈を極めており、昨年以上に「引越難民」が生まれることが予想されます。
この度、株式会社アップルでは、2017年1月に導入した引越業務基幹システムに、新たに「スタッフ&シフト管理」「稼働率管理」機能を独自に開発、運用を開始します。これにより、スタッフ管理の無駄をなくすとともに、アルバイトしやすい環境を作り、人手不足に対応します。また、引越し需要予測AIアルゴリズムに基づく稼働率の管理を行い、従業員一人当たりの労働生産性を高めます。生産性を向上させることで賃金を引き上げ、労働条件の向上を目指していきます。
■背景
引越し業界では、スタッフのシフト管理を、出勤・休日の確認は電話、管理はエクセルなどアナログな方法で行っています。例年、3月、4月は一時的にスタッフが爆発的に増加をすることもあり、非効率な管理方法と管理ミスが大きな課題となっています。
一方、スタッフ、特に日雇いのスタッフは「すぐに働いてお金が欲しい」という要望が強くあるものの、面接や勤務日確認に時間を要するため、スムーズに働けないという課題がありました。
■煩雑なスタッフ管理を容易にし、登録からシフト管理、給料支払いまでを一元管理
引越業務基幹システムでは、社員および契約社員、アルバイトのすべてのスタッフにマイページを提供。住所や連絡先等の基本情報に加え、免許証情報など、必要な情報をすべて登録します。これにより、これまで個別に登録・管理していた情報を一元管理することができ、必要な情報が必要な時に即座に確認できます。さらに、出勤日や出勤・退勤時間の入力によって勤怠管理も行え、スムーズな給与計算が可能になりました。
スタッフにとっては、スマートフォンで新規スタッフ登録の応募ができるようになります。登録後にマイページにアクセスをすればシフトの空き状況が一目で分かり、出勤を希望する日をその場で申請できるようになります。また、自分の出勤日が分かるので、間違って出勤したり、休んだりするミスが防げます。
《引越業務基幹システムの主な機能》
◎スタッフ・アルバイトの情報管理
・連絡先や住所などの登録
・免許の有効期限や免許写真の登録
・マイナンバーや振込口座の登録 など
◎シフト管理
・シフト希望の申請(スタッフ、アルバイト)
・リアルタイムな目標を見ながらのシフト設定(管理者)
・スタッフが足りない日に対するシフト募集(管理者) など
◎日次・月次の締め作業
・毎日の勤怠管理(業務開始・終了時間、残業・深夜作業)
・各種費用の精算
・月次の給料精算・源泉所得税計算・振込csv作成 など
■自分の都合に合わせて働ける環境をつくり、人材確保と生産性の向上を実現します
当社ではスタッフ&シフト管理機能によって、業界の深刻な人材不足を解決します。
1.応募から勤務開始日までの期間の短縮化
当社では年間約1,000人、創業からこれまで約10,000人のスタッフ面接を行なっています。この経験から採用基準と採用判断の定型化ができており、面接しなくてもスタッフ登録ができるようにしました。
これまでは、応募から勤務開始まで1週間程度かかっていましたが、今後は最短で応募から3日後に勤務開始が可能になります。
これにより、登録スタッフの離脱を防止、また面接をする側の労力が大幅に削減されます。
2.引越し需要予測のAIアルゴリズムの活用
引越しは日や月によって需要が大きく変動する特徴があります。そのため、需要を正確に予測し、その予測に応じて稼働率をコントロールできれば、過不足なく人員を配置することができます。
独自に開発したAIアルゴリズムを活用することで、日別の引越し需要の予測が可能になりました。
これにより、スタッフ一人当たりの労働生産性が高まります。
3. 稼働率管理に基づき、日雇いスタッフの中期シフトも組める
これまでは「来週勤務したい」と考えても、実際に仕事が入るかどうかわからないため、直前までシフトが組めない状況でした。需要予測を数ヶ月単位で行い稼働率を定めることで、スタッフは先の勤務日も決めることができます。
計画的に稼ぐことができるようになり、人材の定着が図れます。
労働生産性を高めることにより、スタッフの賃上げなど労働条件の向上につなげ、引越しを魅力ある職業にしてまいります。